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鬼瓦の種類|魔除けの意味や種類別の名称、選び方のポイントを紹介

  • コラム
鬼瓦は、和風建築における棟端に取り付けられる独特な瓦で、古くから魔除けとして用いられてきました。
この瓦は、建物の外観に威厳を与えると同時に、災厄から家を守る力があると信じられています。
しかし、鬼瓦にはさまざまな種類があり、それぞれに異なる特徴や意味が込められていることをご存知でしょうか?
この記事では、鬼瓦の種類やその意味、選び方について詳しく解説します。

□鬼瓦とは?古来からの「魔除け」の象徴


鬼瓦とは、和風建築の屋根の棟端に設置される特別な瓦のことです。

屋根の頂点に水平に配置される部分を「棟」と呼び、その両端に取り付けられる瓦が「鬼瓦」とされています。

鬼瓦のデザインは鬼の顔だけに限らず、波や雲などさまざまなモチーフが取り入れられています。鬼のデザインが含まれていなくても、棟端に設置される瓦はすべて鬼瓦と呼ばれます。

*鬼瓦が魔除けとされる理由


鬼瓦のルーツは、ギリシャ神話に登場するメドゥーサにあり、恐ろしいものを置くことで魔除けや厄除けの効果を得ようとしたことから始まりました。

メドゥーサ像は建物の入口に配置されていましたが、日本では「家内安全」や「災害回避」、「無病息災」などを願い、棟の端に鬼瓦を置く風習が生まれました。

古代の人々は「鬼を味方にして家を守ってもらう」という願いを込めて、鬼瓦を魔除けの象徴として使い続けてきました。

しかし、鬼の恐ろしい顔が次第に避けられるようになり、代わりに鶴や七福神などの縁起の良いモチーフを用いた鬼瓦が多く使われるようになりました。

*鬼瓦の魔除け以外の役割


鬼瓦は魔除けだけでなく、「雨仕舞い」としての機能も果たしています。

雨仕舞いとは、雨水を効率的に排水し、棟内部に水が侵入しないようにするための構造を指します。
棟の両端を鬼瓦で覆うことで、建物を雨水から守る役割を持っています。

鬼瓦は単なる魔除けや装飾品ではなく、建物を保護する重要な建材でもあるのです。

□鬼瓦の種類|名前と特徴を分かりやすく解説


鬼瓦には多様な種類があり、それぞれ異なる特徴や意味合いがあります。

1: 古代鬼瓦・鬼面


鬼の顔を形作った鬼瓦で、口を開けたものと閉じたものがあります。
これには、鬼瓦に雄と雌があり、それぞれが一対となって大棟鬼、降鬼、隅鬼、二の鬼、妻降鬼などとして作られているためです。

2: いざり鬼面


異なる屋根の勾配に合わせて切り取られた形状の鬼瓦です。

3: 影盛鬼瓦


棟の大きさに合わせて鬼瓦を大きく見せるために、鬼瓦と棟の接合部分や鬼瓦の周囲に漆喰を盛り上げたものです。

4: 蔓若葉鬼瓦(つるわかば)


若葉形のデザインに蔓(つる)の模様を加えた鬼瓦です。

5: 覆輪鬼瓦


雲を表す装飾が施され、火除けの願いが込められた鬼瓦です。

6: 若葉鬼瓦


若葉の模様があしらわれた鬼瓦です。

7: 京履輪鬼瓦


雲や波のモチーフが使われています。

8: かぶら鬼瓦
蔵などに使用される鬼瓦で、外見は覆輪鬼瓦に似ていますが、足の部分が丸くなっており、谷立ち納めになります。

9: 御所型鬼瓦
神社などで使用されています。

□まとめ

鬼瓦は、和風建築の棟端に設置される特別な瓦で、魔除けや雨仕舞いといったさまざまな機能を果たしています。

その種類も豊富で、それぞれ異なる特徴や意味を持ちます。地方によって特徴が変わってくるので、旅先で探してみるのも楽しいかもしれませんね。